April 19, 2005
普遍的デザイン
今回は家具のデザインの中でも、最も広く深い分野「椅子」について語ってみ
る。ついに「スパアス」もこの分野に少し、足を踏み入れる時が来たようだ。
椅子のデザインで最も普遍的かつグッドデザイン、言わば「スタンダード・オ
ブ・スタンダード」と言えば、アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」だろう。
言うなればこんなヤツだ。

おそらく、どこかで見た事があり、どこかで座ったこともあるだろうこの椅子
だが、あまりにスタンダードであるため、類似品がものすごく多い。
しかし気をつけなければならないのは、この椅子は決して見た目の良さだけが
売りになっている椅子ではないと言うことだ。成型合板の言わば「木」で作ら
れていながら、背もたれが穏やかに沈むこの椅子の感覚は、やはり類似品では
感じられない独特の座り心地がある。
類似品では、見た目はそれっぽく見せてはいるが、やはり座った時に固さがあ
り「違うなぁ」と感じる。
かの家具デザイナー、レイ・イームズの言葉に「椅子は見た目よりもまず座り
やすいことが大事」という言葉通り、この椅子の一番のウリは「座り心地」で
「デザイン」はそれに付随するものである。
ただこの椅子の類似品が多いのは、この椅子がやはり普遍的でグッドデザイン
であるからにほかならない。
普遍的かつグッドデザインの凄さを思い知る究極の椅子の一つだ。
機会があれば、一度じっくり確かめるように座ってみて欲しいと思う。
ただ当のアルネ・ヤコブセン自身は、ちまたに広まっている4本脚の椅子より
も、安定の悪い3本脚を好んだというエピソードは余談なのだが・・・。
April 19, 2005 11:12 AM