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東京レポート-六本木編-
レポーター:KAI
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ヒルズアリーナ
六本木ヒルズの中心部、ヒルズアリーナ。何度も迷って気がつけばここにいることが多かった。
内田繁氏作ベンチ
雑誌でポール・スミス氏も寝そべっていた、デザイン界のウッチー(とは呼ばれてないと思う・・)、内田繁氏作のベンチ。
TSUTAYA
友人との待ち合わせの時間つぶしのため6時から10時迄いた本屋さん(TSUTAYA)。カッコいいお店でした。
テレビ朝日ビル
ウワサのテレビ朝日のビル。数字がカウントダウンしているが何をカウントしているかはよくわからない。


「超ヤバイんだけど。」
耳慣れないイントネーションで、大学生らしき、こざっぱりした若い女の人が会話し ているのを聞いた。
私は出張で横浜に来たあと、デザインの勉強と称して東京に出向き、とあるファース トフード店でハンバーガーを食べていた。

「超ヤバイんだけど。」
訳は「すごく良いですね。」決してせっぱ詰まっている状況でもなければ、まして 「だけど」に接続する文章もない。とにかく、20歳前後の人が使う常用語の中でも、 口にする機会がかなり多い『常用語オブ常用語』なのだ。

そしてそんな若者が多く歩いている街、それが六本木だった。私としても2年半ぶり の東京、しかも六本木は初めてなので、全くお上りさん状態。六本木というところは、 東京人でなくても聞いたことのある、あの『JR山手線(環状線)』の通らないところに あるので、乗り換えも少々ややこしかった。

そう、目的はただ一つ、『六本木ヒルズ』!
どんなファッション雑誌も、デザイン雑誌も、店舗設計関係の雑誌も、一度は特集を 組む東京屈指の高級店モール街だ。もちろんお店だけでなく、テレビ朝日の他、ホテ ル、マンション、オフィス、美術館に展望台と、一つの街ができ上がっている・・・ という。

とにかく、雑誌で載っている六本木ヒルズの、スケール感と空気(雰囲気)、なにより デザインのディテールを知りたくてやって来た。

一通り回遊してみて一言、言うとするならば、「ややこいねん!」訳は「複雑でわか りにくいです。」
特に訳をつける必要はないかも知れないが、六本木ヒルズのモール街の特徴はこの一 言につきると言っていいだろう。

とにかく形の違う建物が屋内外でつながり、その内装も1Fと2Fではその広さ・形がか わり、丘陵地にそびえている立地条件が「今何階?」と現階層すら忘れさせ、さしず め巨大迷路に迷い込んだ感覚すら覚えた。

デザイナーの目としては面白建造物が多く、お店の一つ一つに個性はあっても全体的 には統一感があり、所々に大阪や京都では見れない東京らしさが見え、しかも金かかっ てるなぁとため息をつく場面もしばしば。

しかし、そういう雰囲気を楽しみにきた人ならともかく、ショッピングがメインの人 には、この迷路のようなモール街は多少、辟易なのではないだろうか? 少なくとも出張先の仕事を終え、多少疲れ気味、かつ初めて来たこの『六本木ヒルズ』 を歩く私には、拷問の様にも思えた。

事実、観光客らしき人から、ちょくちょく来てそうな若者まで、会話の中で「ややこ しい」という言葉を何度か耳にした。

そう、この『六本木ヒルズ』は建築業界でよく命題となるテーマ「デザインと使い勝 手が一致しない」建造物に近い雰囲気がある。もちろん断言はできない。全部、熟知 するほどくまなく回ったわけでもないし、導線的に検証したわけでもないし、分かり やすいところもあったからだ。

少なくともデザインにおいては、土地利権交渉が始まった17年前から、数多くのデザ イナーが「ああでもないこうでもない」とせめぎ合いを重ねたという裏話通り、こま かなところまで行き届いており「超ヤバイんだけど。」と東京風に感心したりする場 面もあった。

私も時々、考えさせられるがデザイナーが良いと思っている物が施主に対して、必ず しも良いものではないし、利用客にとっては逆に迷惑である事も在りうる。しかし特 に商業施設においては「機能」よりも「雰囲気」という施主には伝わりにくい抽象的 なデザインも考慮しなければならない時も在ると思う。

もちろん「両立」が理想だが、デザイナーはありふれた「両立」から新しい物を生み 出したいと考える人が多いのも事実だろう。『六本木ヒルズ』はそうしたデザイナー 達の試みが見え隠れしているのかもしれない。

今回、あえて結論は出さないまま、レポートを終わりたいと思います。 これを読んで興味を持った方は東京に来た際、一度は覗いてみて下さい。 ただ、体力があるときに行くことをお薦めしますが・・・。

<おわり>