「無意識の軌跡」
2008.11.14

先日、大阪中之島の中央公会堂に行ったときのこと。

夜の中央公会堂がきれいだったので、
これはいいやと思い、
ついシャッターを切ったのですが、
できあがりは、この通り、見事な失敗作になりました。
理由は単純、夜の撮影なので、
オートで設定しているシャッタースピードが1.6秒になっていることに気づかず、
写真を撮ってしまったこと。

カメラの事を少しでもかじっていれば、
大方の人がその失敗原因を特定できます。

しかしながら、この写真を考えるとき重要なのは、
実はここからになります。

これをただの失敗作にしてしまうか、
考察の材料、果てはデザインにまで持って行くのは、
以下の考察が必要となります。

実は、この写真を見たとき、一つの違和感を感じました。
それは何かというと、光の軌跡が下(正確には左下・逆S字)に下がっていること。
これはどういう事かというと、写真が撮れたと思った私は、
カメラを下げるのではなく、上に上げた事を意味します。
つまりカメラを上に上げない限り、光の軌跡は下には下がらないのです。

写真を撮った私は普通なら無意識にカメラを下げるはずなのですが、
何を思ったかカメラを上に上げた経緯があると考えられます。
最初は胸元で写真を撮ってから、撮影画像を確認する際に顔の元へ
持ちあげたのかと思ったのですが、当時の事を思い浮べれば、
胸元で撮った記憶がないので、それは違うと判断しました。
ここには私の無意識や癖が作用していると思いますが、
結局、何が原因か、考察レベルでは分りませんでした。

で、当時の事を思い浮べて、
実際にカメラを取出して実演してみたのです。
すると、あっさりと合点がいく答が見つかりました。

どういう事か?

私はこの写真を撮るときに、まず縦画像であるため、
カメラを傾けています。その際、右ではなく、左に傾けました。
そして、実際に撮るとき少し体勢を低くし、脚を開いて、
安定した体勢で撮っていたことが検証されました。

つまり、低い体勢で写真を撮った私は、撮影画像確認する経緯で
普通の立姿にもどる時、カメラの位置が、
下方から上方へと動いた事がここで初めて分かったのです。
その際カメラを縦向けから横向けに戻した軌跡が、
逆S字かつ左への軌跡に現れる事が、検証されました。

ということは、やはりこの左下かつ逆S字へ伸びる光の軌跡は、
私の無意識が引き起した軌跡であると断定できます。

そこまで、検証するとこの写真がただの失敗作ではなく、
「無意識の軌跡」という題が付けられる作品に変化します。

ただの失敗作をここまで引上げた要因は、
たった一瞬に感じたこの写真に対する違和感です。

デザインを考えるときも同じ手法を使います。
たとえば店舗のデザインを考えるときも既存のライバル店にあたる店舗や、
考察中の内容に何か違和感がないかを考えています。

もし少しでも違和感があれば、それこそが改善できるポイントで、
かつオリジナリティにつながります。

この写真はデザインのなんたるかを考えさせられる
素敵な一枚になりました。

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